iPhoneをSIMフリー化するファクトリーアンロックのメリットとデメリット

  • 公開日:2016/10/12
  • 更新日:2018/08/04

iPhone 6以前の端末をSIMロック解除してSIMフリー化する方法の1つ、ファクトリーアンロック。 格安SIMカードをiPhoneで利用したい場合、契約先キャリアやiPhoneのシリーズによってはSIMロック解除が必要になる事があります。SIMロック解除には公式や非公式を含めていくつかの種類がありますが、その中の1つがファクトリーアンロックというSIMロック解除方法です。 ファクトリーアンロックにはその他のSIMロック解除方法と比較して大きなメリットと、いくつかのデメリットを併せ持っています。ファクトリーアンロックを使ったSIMロック解除方法が自分に合うかはiPhoneと格安SIMカードでどのような利用方法を行うかによって変わってきます。まずはファクトリーアンロックがどの様なものか確認して、メリットとデメリットを知った上でどのSIMロック解除方法を選択していくべきか考えれば良いと思います。

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iPhoneのファクトリーアンロック

iPhone ファクトリーアンロックとは、どんなサービスでどんな仕組みを利用しているのか説明します。

iPhone ファクトリーアンロックとは

iPhoneファクトリーアンロックはiPhoneに施されているSIMロックを非公式に解除する方法です。ファクトリーアンロックが成功したiPhoneでは永久的にSIMロックが解除されSIMフリー化されたiPhoneになります。SIMフリー化されたiPhoneはドコモのSIMカードでも、auや、ソフトバンクのSIMカードでも、各種格安SIMカードや海外のSIMカードでも動作するようになります。

iPhoneファクトリーアンロックのサービスを取り扱う会社は海外をはじめ日本でも少数あります。多くの場合はiPhoneをSIMロック解除してSIMフリー化出来るまでに2週間から1ヶ月以上の時間がかかります。

iPhone ファクトリーアンロックの仕組み

iPhoneのファクトリーアンロックは、どのような仕組みでiPhoneをSIMロック解除してSIMフリー化しているのか説明しましょう。

iPhoneのIMEI(製造番号)を付け替えてファクトリーアンロックしている

iPhoneファクトリーアンロックは世界中で販売されているSIMフリーiPhoneのIMEI(製造番号)を利用します。世界中で販売されているSIMフリーiPhoneの中で故障等により廃棄されるiPhoneのIMEI(製造番号)とSIMロック解除してSIMフリー化したいiPhoneのIMEI(製造番号)を付け替えることでiPhoneファクトリーアンロックが成功します。

iPhoneを販売するアップル社は全世界のiPhoneをIMEI(製造番号)によって管理しています。IMEIの番号とiPhoneを販売した通信会社のルールに則ってSIMフリーのiPhoneであるのか、SIMロックされるべきiPhoneであるのかを判別しています。SIMロックが必要と判断されたiPhoneはアップル社のサーバーでSIMロック登録され、SIMロックを施すようにしています。

SIMフリーiPhoneはアクティベーション後もSIMロックされない

SIMロックが必要かどうかの判断は、iPhoneの利用開始時アクティベーション中にSIMカードの中の情報とIMEIからアップル社により行われます。そして、iPhone購入時にセットしたSIMカードによってどの会社のSIMロックが施されるのかが変わります。ドコモのSIMカードでアクティベーションするとドコモのSIMロック、auのSIMカードでアクティベーションするとauのSIMロック、ソフトバンクのSIMカードでアクティベーションするとソフトバンクのSIMロックが施されるのです。ただし、SIMフリーiPhoneの場合は完全にSIMロックをしない枠に登録されているためどのSIMカードでアクティベーションしてもSIMロックされません。

ファクトリーアンロックは、アクティベーション後もSIMロックされていない廃棄されたSIMフリーiPhoneのIMEIを別のiPhoneに移しアップル社のサーバーに登録するという仕組みになっています。

ファクトリーアンロックは特定企業でしか行えない

ファクトリーアンロックは廃棄されるSIMフリーiPhoneがあれば誰にでもできるのかというとそうではありません。アップルは全世界のiPhoneをアップル社にあるサーバーで管理しています。アップル社にあるサーバーに新規登録や廃棄登録できるのは原則アップル社だけとなっています。

しかし、全世界で利用されているiPhoneは数億台ありますから、故障等のメンテナンスや新規登録、廃棄登録をアップル社だけで行うのは大変です。そのため一定の台数を所有する会社に対してはその会社だけでiPhoneのメンテナンスが可能になっています。その会社ではiPhoneの登録や廃棄登録も行えるようになっています。そのiPhoneメンテナンスの資格を利用して、廃棄されるSIMフリーiPhoneのIMEIを多く集め、ファクトリーアンロックを行っているのです。

アップル社との契約がどういったルールになっているのか詳細は不明ですが、おそらく違法と合法スレスレのサービスになるのではないかと思います。

iPhoneのファクトリーアンロックはGSXを確認しよう

もしもiPhone ファクトリーアンロックが成功したらGSXというものを確認してみると良いでしょう。GSXにはどこの通信会社で販売されたiPhoneであるのか等の情報が記載されています。

ファクトトリーアンロックサービスを利用したiPhoneは下記の画像のようにSIMロックが解除されています。

iPhoneのファクトリーアンロックサービスでSIMフリー化したGSXの画像

このGSXを利用する場合は、IMEIの番号から状態を参照するようになりますが、GSX照会サービスの中にはIMEIを盗み、別のiPhoneに流用されてしまう悪徳なサービスもありますので気をつけてください。

iPhone ファクトリーアンロックのメリットとデメリット

ではiPhone ファクトリーアンロックの具体的なメリットとデメリットをあげてみましょう。

iPhone ファクトリーアンロックは高額

iPhoneファクトリーアンロックサービスは世界中にあります。しかしそのどれもが高額です。安ければ海外で5,000円〜9,000円程度の場合もあります。しかし、多くの場合が20,000円〜50,000円もかかります。

筆者は試しに海外のiPhoneファクトリーアンロックサービスをテストしました。そのファクトリーアンロックではSIMロックが解除されるのに約1ヶ月かかりました。しかも、ファクトリーアンロック後、海外のSIMカードでなければアクティベーションできない状態になっており、日本では結局SIMロック状態のままとなりました。

iPhone ファクトリーアンロックはソフトバンクや、auのiPhoneでもテザリングが使えるようになる

iPhoneファクトリーアンロックが成功し日本の格安SIMカード等が使える状態になるとテザリング機能も使えるようになります。

本来であれば、ドコモのiPhoneはドコモのSIMカードでなければテザリングできませんが、ドコモ回線の格安SIMカードであればテザリングが使えるようになっています。

auやソフトバンクのiPhoneの場合はドコモのようにはいかず、格安SIMカードを使ってもテザリングは利用できません。例えばau iPhone 5sのiOSはテザリングが利用可能になっていますが、mineo【マイネオ】等のau回線の格安SIMカードを使うとテザリングができまなくなります。

しかし、ファクトリーアンロックが成功したau iPhone5sではmineo【マイネオ】の格安SIMカードでもテザリング機能が使えます。もちろんSIMロックは解除されているので、ドコモ回線の格安SIMカードでも使うことができますし、テザリングも使えます。

SIMロック解除アダプタを利用したSIMロック解除ではテザリング機能までは解除できませんので、テザリングをどうしても使いたい場合はファクトリーアンロックが有効のように思えます。

また、テザリングが利用できなかったiPhone 3GやiPhone 3GS、iPhone 4、iPhone 4sでもファクトリーアンロックをすることでテザリングが有効になった例もあります。

iPhone ファクトリーアンロックはしっかりしたサービスに申し込むことが大事

iPhone ファクトリーアンロックにも落とし穴があり、サービスがしっかりとしているところへ申し込むことが大事です。ファクトリーアンロックを安く提供している海外のサービスに安易に申し込んだりすると、筆者のように結局iPhoneをSIMフリー化できなかったり、お金だけかかってしまって何もできないという場合もあります。

また、iOSのアップデートで再びSIMロックされることもあります。ファクトリーアンロックの仕方に違いがあるようで、しっかりしたサービスを展開しているところへ申し込むとiOSのアップデートをしてもSIMフリー状態が維持されます。

iPhone ファクトリーアンロックよりもSIMロック解除アダプタの方がお手軽

iPhoneファクトリーアンロックは高額です。まずはSIMロック解除アダプタでのSIMフリー化をオススメします。SIMロック解除アダプタの方が断然安くテストできます。SIMロック解除アダプタをドコモのスマホを使っている友人にお願いしてきちんと設定できるかテストしてみましょう。SIMロック解除アダプタでSIMフリー化されたことが確認できれば格安SIMカードを申し込んでも大丈夫です。

SIMロック解除アダプタ(SIM下駄)を使ったiPhone SIMフリー化に関する詳しい内容は下記ページに掲載しています。

iPhoneをSIMフリー化するファクトリーアンロックのメリットとデメリット まとめ

iPhone ファクトリーアンロックサービスはどうしても今のSIMロックされたauやソフトバンクのiPhoneで格安SIMカードを使ってテザリングしたいという人にだけ利用価値のあるサービスです。テザリングに重点を置かない人の場合はSIMロック解除アダプタ(SIM下駄)を利用して格安SIMカードを使うことを考えましょう。

基本的にファクトリーアンロックは高額ですからおすすめしないのですが、テザリングは必須!という人は日本で展開されているファクトリーアンロックサービスを使ってください。iPhoneの修理を全国展開しているところのファクトリーアンロックサービスが信頼できそうです。

注意:2017年1月現在、情報筋によると世界中でiOS10のファクトリーアンロックが困難になっているようで受付している業者がかなり減っています。そのため単純明快なSIMロック解除アダプタの利用をおすすめします。

  • ファクトリーアンロックしたiPhoneでも使える格安SIM:LINEモバイル

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